「日本の鉄道の未来を考えるフォーラム Rail to the future#1」 のご報告

8/24(土)にTIMESHARING渋谷宮益坂にて、「日本の鉄道の未来を考えるフォーラム Rail to the future#1」が開催されました!
鉄道会社にお勤めの方、鉄道業界を目指す学生、鉄道ファンの方等、おかげさまで多くの方々にお集まりいただきました。

記念すべき第1回目の開催

今回、記念すべき第一回となり、「日本の鉄道の未来」というテーマを軸に、鉄道業界をとりまく課題について挙げました。
セッション形式をとったため、私からだけではなく、参加者のみなさま同士で議論を深めることが出来たと思っております。

元々の開催のきっかけとしては、私が香港のAsia Pacific Railというイベントに参加したことです。
その際、アジアのみならず海外で鉄道テクノロジーや最新サービス(MaaS・スマートステーション)の議論が活発に行われていました。
一方で鉄道大国と言われている日本国内において、このような鉄道についての議論するプラットフォームが少ないこと、
事業者やコンサルタントひいては業界志望者が業界の活性化に向けてもっと意見を組み交わすべきと考えて起案しました。

そういった私の志が、今回の参加者の方々には少しでもお伝えできたかと考えており、
またこのような想いが少しずつ広まっていくことを切に願っております。

フォーラムの内容について


今回のセッションテーマは「日本列島に新幹線はこれ以上必要か」「自動運転時代に鉄道業界が良い人財を確保するには」「駅名ブランディング研究」の3つ。
時間の都合により議論し足りない部分も多くありましたが、その分内容の濃いものとなり嬉しく思っています。

テーマ① 「日本列島に新幹線はこれ以上必要か」

田中角栄日本列島改造論・全国新幹線鉄道整備法をもとに計画された新幹線の新設は、
一部は事業中なものの、着工の見込みが立っていない計画も多いのが現状です。
国内における人口減少・インバウンド増加等の近い将来の日本を見据えながら、意見を交わしました。
また、連日鉄道関連のニュースで話題に上がっている「長崎新幹線問題」についても説明し、
事業者・自治体・国などそれぞれの側面からのメリット・デメリットを研究することで、知識を深めました。

また事前にSNS等で「日本列島に新幹線はこれ以上必要か」についてアンケートを行なった結果は下記の通りです。
事前のアンケートでは反対意見が過半数を占めましたが、フォーラム中では賛成意見が多く見受けられた印象でした。
おそらく様々な条件があったりするので、単にイエスノーでの回答とは結果に乖離があるかもしれません。

テーマ②「自動運転時代に鉄道業界が良い人財を確保するには」

鉄道の運転士をはじめとする職種は、近い未来に訪れるであろうAI時代にとって変わる可能性が高いと言われて久しいです。
それを背景に、あわせて2020年4月にJR東日本が「運転士」と「車掌」の名称を廃止し、「乗務係」や「乗務指導係」などに変更する方針を発表したことを受け、今後どのように業界のプロフェッショナルを育て、良い人材を確保していくかを話し合いました。
これは鉄道業界のみならず、様々な業種・職種においても言われていることですので、他業界出身の参加者様からもご意見をいただくことで多角的な考え方が出来ました。

また、今回のテーマにも関連するアンケートとして、こちらも事前にSNS等を使い「将来に鉄道は自動運転を実施すべきだ」について回答いただいております。
この答えについても反対意見は多いものの、フォーラム内でも自動運転のレベル度数によっても実施についての賛否が分かれました。
完全自動運転の是非については、私の以前の記事内でも「トライ・アンド・エラーの許されない中で」として寄稿していますので、そちらもご参考ください。
「運転士」が居なくなる日… AI時代に向けた、痛みを伴う改革の代償

テーマ③「駅名ブランディング研究」

このセッションが一番盛り上がり、参加者同士で熱い議論を交わすことができました。
駅名というのは、その街の表札とも言える存在であるので、「伝統」や「親しみ」だけではなく「わかりやすさ」や「改革」の役割も必要です。
また「駅名だけでブランド力のある駅についてや、話題の「高輪ゲートウェイ」「大阪梅田駅」の駅名変更についても議論が及びました。

私の持論より 「難読だから変更すべきは勿体無い!」と掲げ、京福電鉄の難読駅名の例を元にお話しさせていただきました。
ネーミングライツも含め、鉄道会社のマーケティング戦略に大きく関わる駅名の部分であり、
また皆さまに馴染み深いテーマでもあるので、今後はこのテーマのみに特化した講義も検討しています。

参加者様からの感想

● インプットとアウトプットのバランスが良かったと思います。勉強になりました。
● 内容が濃くて良かったです。1つのテーマについてもっと深く議論する機会が欲しい。
● それぞれのテーマが大変面白く興味深かった。次回も参加したいです。

講義を終えて

今回は「Rail to the future」シリーズの記念すべき第一回目の開催にたどりつけたことに一先ず安堵しております。
参加れた方々、またご興味を持っていただいた方々、更には様々な形でご支援・ご協力をいただいたみなさまにお礼を申し上げます。
このフォーラムは定期的に開催を検討しており、徐々に規模を広げる計画でおります。
目標値としては「7年後に参加者1000人」を定めて、それを目指して今後の活動を行なっていきます。
また、このフォーラムだけではなく、今後も様々な場所で、セミナー・講義を行っていきますので、
皆様も是非ともご参加をお待ちいたしております。

※9/28 (土) 東京・大崎開催「鉄道業界の舞台裏」セミナーを開催予定です。
詳細は追ってご連絡させていただきます。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。